戯言

 お前、そんなに勉強ばっかしてなんになるつもりだよ。そう訊ねると、いつでも気難しい顔をしている従姉が珍しく愉しそうに笑った。
「お前が望む、なんにでも。通訳でも秘書でも医師でも……」
「嫁でも?」
「もち――?! は?」
「言ったな。聞いたぞ、俺は」
「待て待て、この流れはずるい!」
「俺の望みはなんでも叶えてくれるんだろ?」
「それは、その、でも」
「完璧な嫁になれよ、夜霧」




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