一人インタビューごっこ

　え？　影二のどこが好きかって？
　全部だよって答えたいとこだけど、前に同じこと言ったときいい加減だって呆れたよな顔されたからなあ。ほんと、強くなるために他を顧みない勝手さも、ストイックなとこも、そういう意志の強さが表れた顔の造形も――すっごく好きなんだけど。敢えて挙げるなら、
「おい、ユナ」
　ちょっと待ってね。影二が呼んでる。
「なあに、影二」
「行くぞ」
「どこに」
「どこへでも。気が済むまで付き合ってやるから、ひとり遊びも大概にしておけ」
　別に声に出してたわけじゃないのにさ。こういうときばっか気づいて手招きしてくれるよなところ！
　ソファから立ち上がって、思いっきり影二に飛びつく。いつもは綺麗に避けるのに、やっぱりなんてことないって顔で受け止めてくれるから、チョーシ狂うねって笑ったら「たまには良かろう」なんて言ったりしてさ。少し肩を竦めてシニカルに笑う、その顔も。
「こうやってどんどん選べなくなっちゃうんだよね」
「なんの話だ」
「影二が大好きって話」